活動の概要と誕生の経緯

①活動の概要

[発足] 1991年に発案、1992年4月より活動
[理念] 感謝(Dank)、研鑽(Denken)、奉仕(Dienst)の精神
[実績] 1992年より2019年までに、一年に一回の演奏会開催のペースで、東日本大地震の時を除いて、今年で27回のコンサートを開催。
1999年よりオーケストラ付の宗教合唱曲でコンサートを開催。
2003-2006年には、若手演奏家支援プロジェクトを入れ、新人の演奏も加えた。また、400客席のイズミティ小ホールでの開催を、1997年からは、800客席の青年文化センターに会場を移し、ほとんど満席の状況で開催している。

②誕生の経緯

1.この会はどのようにして誕生したのか?


本会の代表佐々木しのぶは、1974-1976年にドイツのヴュルテンブルク州立教会音楽大学に留学し、オルガニストとしての訓練を受ける機会があった。その留学の機会をつくってくれたのは、オルガニスト、合唱指揮者として著名であったヘルムート・リリング氏であった。当時リリング氏は、シュトゥットガルト記念教会の主任オルガニストで、「カンタータ礼拝」をやっており、300名ぐらいの人が、音楽礼拝をやっていた。オーケストラは専門家で、合唱団は一般の人たちが参加出来るようになっており、私自身も土曜日に練習に行って、日曜日の礼拝で歌っていた。リリングの指揮は、非常に暖かく、歌う人たちも喜びに満ちていた。「こんな形の会が、仙台にあったら」という思いが頭から離れなかった。これがキルヒェン・ムジィーク・アカデミー(Kirchen Musik Academie 教会音楽研究会)を立ち上げる機会になり、1991年12月に発案し、1992 年4月に活動を開始した。オルガニストは、ドイツでは、国家公務員として扱われ、給与が支払われる。しかも、その資格試験を受けるために、返済無用の奨学金を受けさせてもらい、その感謝の気持ちが、この会のスタートになった。
また、この会を始めるにあたって、会の精神、すなわちDenken(研鑽)、Dank(感謝)、Dienst(奉仕)を掲げ、Musizieren(音楽を分かち合う)と名付けた会報を発行することを決めた。

2.この会はどこに向っているのか?


東日本大地震を経験してからは、「心の復興のために」に大切な言葉で、ミサ曲の最後に出てくる「Dona nobis pacem」(平和がきますように)という歌を合唱団が歌うと、合唱団も聴いてくださる方々も目頭が熱くなる。宗教曲には、「心の復興のために」大きな力がある。
また、練習は、とにかく楽しく、人を思いやることに重きを置いて、「友に歌う喜び」を大切に思い、生きる力になることを願っている。

3.この会の特徴は何か?


上記に記したように、大切なメッセージを伝えてくれる西洋の宗教曲を中心に取り上げ、オーケストラを結成したのが、第8回からで、ソリストは、他の地域の方を迎え、交流を図ってきた。バッハの曲目では、東京、大阪から合唱団もかけつけてくれた。また、多くの曲を取り上げることで、26年間継続できたのは、多くの方々の協力があってのことと、感謝で一杯である。